ワクチンという言葉はパスツールがジェンナーの業績を記念してラテン語の雌牛を意味するvacaから付けた名前です。
 天然痘根絶に使われた種痘ワクチンの成分はワクチニアウィルスです。
ジェンナーが使ったものは牛痘ウィルスで、両者は別物です。ワクチニアウィルスの起源はまだ不明で自然界では見つかっていないようです。
 日本に種痘が渡ってきたのは1849年です。オランダから長崎に持ち込まれた牛痘苗は江戸まで運ばれました。その方法は子供に接種し、各藩で天然痘に罹っていない子供を用意し、継代していくシステムで運んだようです。
 牛や羊の皮膚で痘苗を製造する方法を考え出したのは、イタリア・ナポリの医師ネグりで150年前です。皮膚に傷をつけ、そこに原苗を植え、1週間後にできた潰瘍病変を掻き採り(粗苗)、これを処理して種痘ワクチンを作ったようです。牛1頭から20万人分ができたそうです。

参考:
人獣共通感染症連続講座 第28回
http://www.primate.gr.jp/yamanouchi/28.html

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