『社長のボヤキ』
2004.3.20

25日になればいよいよ出発である。
早朝、いつもの様に出社する。寒い。風見鶏を見ると、北北西位の木枯らしみたいな風が吹きすさぶ。
病院の運動公園の木々の芽も心なしか寒さで縮んでいるようだ。−3℃、寒いわけだ。社地内にある、ビニールハウスの暖房機が勢い良く作動している。
21日はアフガン行き最終ミーティングである。忘れ物のチェック再び始める。この作業を何度となく繰り返さなければならない。そしてイメージ・・・。釣行の前の準備と同質の思いがある。船釣りも持ち物1つ忘れると釣りにならない。現地調達が難しい。イメージ、イメージ、ひたすらイメージである。この時間がひたすら楽しい。悠久の地にて歴史に埋もれて・・・なんて。今回の調査旅行では望めないかも・・・。多分、無理でしょう。同行隊員の持てる最大公約数の日数を考えると、どうしても切り詰め、短縮の日程しか取れない。先遣隊の連中は理由は良く知っているが、新人二人は我々が最初にtryした時と一緒で、同様の疑問を持つ様である。あれもこれも心配なのであろう。
この種の心配は以前我々の持ったものとかなり同質のもので、大体同じ環境で生きている人間、つまり日本人なんだなと、変に納得してしまうのである。
来年度RCのアジア親善委員会委員長に任命された関係上、研修なのかミーティングなのか判然としない会合に出席する為、同じく、あまり納得していない及川さん(カバナー補佐)と一緒に、下田町カワヨグリーンロッジに出かけることとする。
弘前より2時間程の行程である。昔々、多分、運転免許を取った直後、こちらで飯を食った記憶がある。変わっていない。ほんとに広々した敷地が眼前に広がる。のどかです。北海道でもないし・・・。
そう、カナダ、アルバータがこんな具合でした。そして、カワヨグリーンロッジの皆様の御実家母屋であったという部屋に泊めていただいた。14畳敷きの床の間つきの座敷のど真中に布団をのべてもらった。
この頃、とみに「イビキ」が大きくなり、同室者に多大なる迷惑をかけるとの当方の言い分を通してもらった訳だ。天井が高い。気持ち良い。かなり寒いけれど、パキスタンほどではない。台所の炉端での2次会の喧騒を子守唄にいつしか眠ってしまった様である。
明日はいよいよ最終ミーティングである。

桜前線が10日ほど早くなるそうである。弘前は、この「桜」で飯を食っている部分が多い。普通から行けば大型連休。去年も一週間早まったし、今年はさらに10日早いとは・・・。又々、金回りが悪くなる。祭りもへったくれもないだろう。さらなる不景気・・・。開花宣言が16日頃だとすれば、満開は24、25日頃であろう。これだけは予定は立てられない。推理小説の世界である。かなりのズレは間違いないだろう。

突然「ボヤキ」を再開したら「どうしたの?」と問い合わせがあった。休んでいた間、決して思考を停止していた訳でもないし、むしろ深く静かに潜行していたかったのである。
色々ありました。選挙、パーティー、医療制度改革etc・・・この1、2年、ありすぎて、社内ムードのかじ取りをするのがやっとであったと云うのが本音です。
社内の若返りと後継者問題、そして10年はもつ体制作り・・・。ツッパリのガキ大将が創ってきた社内システムをチームワークシステムに変更させること自体、大変な作業だった訳です。後、5〜6年もすれば正常に機能して来ることでしょう。
すべからく、会社の方向性はアメーバの如く変化し、「コア」は動かず、毎日変化を余儀なくされるもんなんですが・・・。
今回の社内改革で困ったことは、社員個人々、自分の立場が良く理解できていないんですナ。兵隊、下士官、士官の区別が判っていなかったし、まだ何のことやら判らない連中も多い。日本社会の現在の教育では、誰も教える人もいないし、教えを乞う人もいない。全部おしなべて平等だと思っている。入試の小論文集を見ていたら、興味ある出題があった。
『平等と不平等』『公平と平等』『個人と集団』『資本主義と日本』『権利と義務』etc・・・なんですが、正解を読みたいと思うくらい、かなり難問題。入試は良いんだけど、現学校教育で、果たして教育しきっているのかなとちょっと首をかしげてしまいました。弊社新入社員にこれらの事を教え込み、実践させる為、かなりの時間を要するのですから・・・。テストと云ってしまえば、それまでだが、良く判らない。この頃、高卒者を雇わない理由は、既得権から脱して個性的な企業が増えて来たからかな?又は、高卒者の素質を重んずる傾向が強い余りに、粗製改造しているのが判らないのかナ。兵隊を養成しているのか、下士官なのか、下官なのか。就職先がないから大学へ行く。卒業したら又々就職先がない。何ですかネ。こんな現象。日本だけじゃないんですかネ。全くもう〜なんです。
日本のみならず、海外へ行っても、最終的なコミュニケーションの場は食事なんですナ。お箸をきちんと持って、飯茶碗を持つ。とり箸で取って、背筋を伸ばして、日本式のマナーで飯を食える人ってのが少なくなりましたネ。一緒に食事をして不愉快な輩が多くなりました。そんな人に限って、「海外ではネ〜〜」「中国では、韓国では」したり顔でしゃべっている。きっとたいした仕事はできないと思う訳で・・・。若い連中がそれを真似る。「悪貨が良貨を駆逐する」んです。
マナーが悪いと、特に食事のマナーが悪いと、人格まで「ヘン」と敬遠されるのが判んないですかナー。ある教授を思い出しました。「なめ箸」「寄せ箸」「犬食い」「左ギッチョ」抹茶碗の持ち方もさまにならないで、「表千家」のツウ振ってたピエロみたいな人。「誰も私を誘って呉れないんですよ。教養の違いかな?それとも怖いんかな?」御自分のアホさ加減にまったく気がついていない。そうじゃないんですよ。一緒にいるのが不愉快なんですヨ。「ただそれだけ!」そういう輩にとって最も不幸なことは、注意して呉れる友達がいない。シカトされてんのに気がつかないんだナ。
「頑張れ、ニッポン!」


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