『社長のボヤキ』
2004.3.31

今日もヒンズークシ山脈が美しい。
4:20AMにアザーンが流れる。昨日より10分程早い。このアザーンと共に目覚める様になった。涼しいと云うより、寒さを感じる。朝日を見ようということで、6:00AM、鹿内さんとホテルの周りを散歩。寒い。トレーナーの上にジャンパーを着込んでもまだ寒い。そうか、2000m近い高地にいるのかと、何とはなく納得。朝食の支度とおぼしき煙で、山脈がぼやけて来る。山肌にへばりつくような住宅群。
どの辺で激戦が行われていたのか。何人の人達が命を落として行ったのか。何千年となく、人間達の争いを静かに見守っている山々に語りかけてみる。
悠久の地か・・・。毎日が忙しすぎて、その心境にはなれない。ここはカブール・・・。

10:00AMアポイントで、日本大使館アフガンDDR班との面談。どうも、カルザイの選挙、下院の選挙あたりまでが、DDRの勝負所らしい。
つまり、この9月選挙まで、軍閥の司令官達及び、テロリストが戦争をしなれば、このDDR事業はうまく行くらしい。今回ほど、外務省のお役人さんに親切に適切に説明してもらったことはない。井上参事官、児玉書記官ありがとうございます。日本の為に、今少し頑張って下さい。
カブール中心街で昼食とシャレ込んで、所々剥げている舗装道路をトヨタディーゼル車は、スキーのスラローム競技の様に、人を車を荷馬車を・・・スイスイとかいくぐり走る。
信号もなければ横断歩道もない。自由勝手気ままに走る。人間の思考とはおかしいもので、ほぼ相似しているものらしく、同じ場所で同じ様な事故が発生するらしい。
鳥のまる焼きと、煙モーモーの焼き鳥を焼いている店に決め。中に入る。
特別客の趣があり、50席程に10人位、陣取っている。見るからに目つきの悪い連中が・・・。それも迷彩服を着て、銃まで持っている。変にニヤッと笑ってみたり、上から下まで目線を送る。どうもおかしい。斜め前に5人位の集団がいる。初めは、警察かなと見ていたが、どうも違う。鹿内さんのリスクマネージメントが働く。「あれは司令官とボディーガードじゃないか」耳元でささやく。ピッカピカのカラシニコフにトカレフ。悪いことは云わないから退散すべき。ウ〜〜ン、なるほど。こっちは丸腰。インネンを吹っかけられたら大変とのこと。見たら、ラシッドはちょっと表情硬く、ヨウさんは困った顔をしている。
このシーン、何か記憶がある。東映『任侠シリーズ』高倉健さんの、あの場面である。
藤純子はいないが、あのシーン。逃げた、逃げた。物乞いの女性がまとわりつく。運転手がいない。困った困った。ほうほうの状態で車の中へ。助かった・・・。
大使館の井上さん曰く、アフガン中で武器放棄を行っているが、正直に出している所は少なく、かなりの銃が残っている筈である。また、司令官がピンハネをしたり、DDR内の軍隊を作って、銭にしているとの情報がある。この悪い情報通りのシーンを目撃したのである。
カブールでは、銃は一般人は持てないこととなっている。しかし、どっこい、無法地帯なのである。あの平和なパキスタンでも、地方軍閥が政府に影響されないトライバルエリアが存在するし、およそ日本的な思考はあてはまらない。
超大国は、代理戦争を彼等にやらせていたのである。

6:00PM、Faraniさんの自宅のパーティー。すごいです。デリシャス。そんなパーティーでした。
たまらなく眠くなってきたので、少し休みます。

 

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