医薬品不足を実感 27日に報告会「貢献のヒント得た」
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の医療テント=1月22日、パキスタンのペシャワール近郊(武政文彦さん提供)
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米国によるアフガニスタンヘの攻撃が続く中、一月十八日から隣国パキスタンの難民キャンプで、医薬品の流通事情や井戸水の水質などを調査してきた岩手県東和町の薬剤師武政文彦さん(47)が、先日帰国した。武政さんは二十七日、町総合情報センターで報告会を開催、難民キャンプの生活実態などをリポートする。
武政さんは米国の報復攻撃が始まった後、弘前市の薬剤師ら四人と「アフガン難民対策薬剤師調査団」(町田容造隊長)を結成。薬剤師としての難民支援の方策を探ろうと私費でパキスタンを訪ねた。
現地ではペシャワールなどを拠点とし、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の協力を得ながら二週間にわたり六カ所の難民キャンプを巡った。移動の際は、自動小銃を構えたUNHCRの兵士が護衛に当たる物々しさだったという。
調査の結果、UNHCR設営の医療テントでは砂が舞う中で調剤、投薬が行われるなど医薬品の管理が良くないことが分かった。
また、大腸菌や家畜のふん尿で汚染されている井戸水を、やむを得ず飲用に回している所も多かった。井戸水による下痢の治療に抗生物質などが使われることが、医薬品が不足する一因になっていたという。
武政さんは今回の訪問を振り返り「国際貢献の在り方が問われているが、現場にはさまざまなヒントが隠されていた」と話している。調査団として近く、UNHCRなどへ報告書を提出す
る予定だ。
報告会は二十七日午後七時から。問い合わせは東和町総合情報センター0198(42)3202へ。
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