パキスタン例会でのスピーチ原稿
親愛なるロータリアンの皆さん。
私は町田容造と申します。国際ロータリー第2830地区のアジア親善委員会委員長を今年の7月から務めることが予定されています。
私は日本の薬剤師として、自らの信念に基づき人々の健康増進に貢献するため2年前の2002年1月、パキスタン国境にあるアフガン難民キャンプを数名の仲間と訪問しました。
2週間にわたり数箇所の難民キャンプやデストリビューション ポイント、そしてUNHCR,WFP、WHOや日本大使館のオフィスを精力的にまわり、私は3つの結論を得ました。
一つ目は難民キャンプを含め現地の医療環境が劣悪なまま改善を見せない根本原因は「衛生思想の欠如」にあり、医療支援の中心は公衆衛生の基盤づくりにおくべきであること。
二つ目に、基盤づくりは可能な限り短期間に、しかも焦点を絞って行うことが必要であること。
そして最後に薬剤師が関わる支援策として「必須医薬品の国内生産体制」の立ち上げとWHOが提唱している「国家医薬品政策の策定支援」に力点をおくことでありました。
しかし実際に私のアイデアを具体化するにはどうしたらよいかたいへん悩みました。
この2年間は常にこのことが脳裏から消えることがありませんでした。
そしてさんざん悩んだ末に光をこのロータリークラブに見出したのです。
文明が進歩し続ける21世紀において、世界の平和と人類の幸せを願わないものは一人もありません。
ロータリークラブの奉仕の究極の目的は世界の平和と人類の幸せのための貢献であるといわれています。
図らずも、国際ロータリークラブのジョナサンB.マジィアベ会長は「Lend a hand」(レンド ア ハンド)という呼びかけを提唱しておられます。
ご承知のようにこれはロータリークラブの国際的な協力関係を強く呼びかけたものであります。そうです。今こそ私たち日本のロータリアンとパキスタンのロータリアンが手を結び合う時が来たのです。
親愛なるロータリアンの皆様、私どものプロジェクトにぜひ手を貸していただきたいのです。
それがひいては世界の平和と人類の幸せに結びついていくものと確信しております。
思い起こせば今から50数年前、私たちの国、日本は第2次世界大戦での敗戦により経済が疲弊し、衛生状態も最悪の状況でした。しかし私たち日本人は自ら努力したのはもちろんですが、世界各国の友人たちに支えられながら、今日の近代国家を形成してきました。
今こそ、私たちにとっても、自らの経験と能力をパキスタンそしてアフガニスタンのために注ぐ時期が巡ってきたのです。
日本の古いことわざに「義を見てせざるは勇なきなり」ということばがありますが、私は日本の薬剤師として勇気を持って皆さんとの共同作業に邁進したいと思っています。
親愛なるロータリアンの皆さん。再度呼びかけます。 Lend a hand, please!
ご静聴ありがとうございます。
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